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FreeBSD hs32.drive.ne.jp 9.1-RELEASE FreeBSD 9.1-RELEASE #1: Wed Jan 14 12:18:08 JST 2015 root@hs32.drive.ne.jp:/sys/amd64/compile/hs32 amd64
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=encoding euc-jp

=head1 名前

Jcode - 日本語文字集合ハンドラ

=head1 概要

 use Jcode;
 # 
 # 古式ゆかしく
 Jcode::convert($str, $ocode, $icode, "z");
 # もしくはオブジェクト指向で!
 print Jcode->new($str)->h2z->tr($from, $to)->utf8;

=head1 説明

Jcode.pmはオブジェクト的なアプローチと従来からのアプローチの両方を
サポートしています。オブジェクト的なアプローチを使えばこんな感じで;

  $iso_2022_jp = Jcode->new($str)->h2z->jis;

こちらよりエレガントでしょう:

  $iso_2022_jp = $str;
  &jcode::convert(\$iso_2022_jp, 'jis', &jcode::getcode(\$str), "z");

オブジェクトに馴染みの無い人のために、Jcode.pmはまだC<getcode()>と
C<convert()>をサポートしています。

Perlのバージョンが5.8.1以上なら、Jcodeは、Perl 5.8以降の標準的な文字集合
ハンドラモジュールであるL<Encode>のラッパーとして振る舞います。

=head1 メソッド

特に言及しない限り、ここで挙げるメソッドは全てJcodeオブジェクトを返します。

=head2 コンストラクタ

=over 2

=item $j = Jcode-E<gt>new($str [, $icode])

$strからJcodeオブジェクト$jを生成します。明示的に$icodeをセットしなければ、
入力コードは自動的に判定されます。利用可能な文字集合については、下の
L<getcode>を参照してください。

Perl 5.8.1以降では、C<$icode>にはL<Encode>が理解できる
I<どんなエンコーディング名>も使えます。

  $j = Jcode->new($european, 'iso-latin1');

オブジェクトを文字列化すると、EUCに変換された文字列が返ります。ですから
C<< print $j->euc >>とする代わりに、C<< print $j >>とできます。

=over 2

=item リファレンス渡し

スカラー値の代わりに、以下のようにリファレンスを渡せます。

 Jcode->new(\$str);

これはほんの少し時間を節約します。その代償として、$strの値そのものが
変換されます(ある意味、$strはjcodeオブジェクトに"tieされる"のです)。

=back

=item $j-E<gt>set($str [, $icode])

$jの内部文字列に$strをセットします。繰り返しJcodeオブジェクトを使うときに
便利です(オブジェクトを生成する時間とメモリの節約になります)。

 # mailboxをSJIS形式に変換
 my $jconv = new Jcode;
 $/ = 00;
 while(<>){
     print $jconv->set(\$_)->mime_decode->sjis;
 }

=item $j-E<gt>append($str [, $icode]);

$jの内部文字列に$strを加えます。

=item $j = jcode($str [, $icode]);

Jcode-E<gt>new() の短縮形。以下のようにできます;

 $sjis = jcode($str)->sjis;

=back

=head2 文字列のエンコード

一般に、$j-E<gt>I<encoded>とすることでI<encoded>に変換された文字列を得ます。

=over 2

=item $sjis = $j-E<gt>sjis

=item $euc = $j-E<gt>euc

=item $jis = $j-E<gt>jis

=item $sjis = $j-E<gt>sjis

=item $ucs2 = $j-E<gt>ucs2

=item $utf8 = $j-E<gt>utf8

自明でしょう。
WYCIWYG = What you code is what you get :)

=item $iso_2022_jp = $j-E<gt>iso_2022_jp

C<< $j->h2z->jis >>と同じです。
半角カナは強制的に全角に変換されます。

Perl 5.8.1以降では、Encodeがサポートするどんなエンコーディング名と
エイリアスでも利用できます。例えば:

  $european = $j->iso_latin1; # メソッド名用に'-'は'_'に置き換えます

B<参考>:L<Encode::Encoder>がこれと同じ小技を使っています。

=over 2

=item $j-E<gt>fallback($fallback)

Perl 5.8.1以降では、Jcodeは内部の文字列をUTF-8で保持します。
I<< -E<gt>encoding >>にマップできない文字は'?'に置き換えられますが、
これはL<Encode>での標準動作です。

  my $unistr = "\x{262f}"; # 陰陽マーク
  my $j = jcode($unistr);  # $j->euc の結果は '?' に

この振る舞いは、L<Encode>同様、フォールバックを指定することで変更できます。
値はL<Encode>のものと一緒です。便宜のため、C<Jcode::FB_PERLQQ>、
C<Jcode::FB_XMLCREF>、C<Jcode::FB_HTMLCREF>がL<Encode>のそれらへの
エイリアスになっています。

  print $j->fallback(Jcode::FB_PERLQQ)->euc;   # '\x{262f}'
  print $j->fallback(Jcode::FB_XMLCREF)->euc;  # '&#x262f;'
  print $j->fallback(Jcode::FB_HTMLCREF)->euc; # '&#9775;'

グローバル変数C<$Jcode::FALLBACK>にデフォルトのフォールバックが保持
されていますので、この値を代入することでオーバーライドできます。

  $Jcode::FALLBACK = Jcode::FB_PERLQQ; # デフォルトのフォールバックスキーマを設定

=back

=item [@lines =] $jcode-E<gt>jfold([$width, $newline_str, $kref])

$width(デフォルト:72)毎にjcode文字列内の行を折り返します。
$widthは”半角”文字の数です。全角文字は2文字としてカウントします。

$newline_str(デフォルトは"\n")で指定された改行文字が加わります。
折り返された全行をリストで返します。

Perl 5.8.1以降は3番目の引数$krefにEUCの文字列の配列リファレンスを
渡すことで、簡易的な行頭禁則処理(ぶら下がり)を行えます。

=item $length = $jcode-E<gt>jlength();

バイト長ではなく、全角文字も一文字として数えた場合の文字数を返します。

=back

=head2 MIME::Base64を使うメソッド

下記のメソッドを使うには、L<MIME::Base64>が必要です。インストールは単純に

   perl -MCPAN -e 'CPAN::Shell->install("MIME::Base64")'

とします。お使いのPerlが5.6以降であるなら、L<MIME::Base64>は
バンドルされているので、インストールの必要はありません。

=over 2

=item $mime_header = $j-E<gt>mime_encode([$lf, $bpl])

$strをRFC1522にあるMIME-Headerに変換します。$lfを指定すると、
行の折り返しに$lfが使われます(デフォルト:\n)。
$bplを指定すると、折り返すバイト数に$bplが使われます(デフォルト:76;
この数値は76以下でなければなりません)。

Perl 5.8.1以降では、以下のようにしてもMIME Headerエンコードができます:

  $mime_header = $j->MIME_Header;

この場合C<$mime_header>の戻り値はMIME-B-encoded UTF-8になります。
一方、C<< $j->mime_encode() >>はMIME-B-encoded ISO-2022-JPを返します。
最近のほとんどのメーラーはどちらもサポートしています。

=item $j-E<gt>mime_decode;

Jcodeオブジェクトの内部文字列をMIME-Headerデコードします。Perl 5.8.1
以降なら、以下のようにして同じことができます:

  Jcode->new($str, 'MIME-Header');

こちらの場合、ISO-2022-JPだけではなくUTF-8などにも対応しており、
さらにMIME B EncodingのみならずMIME Q Encodingにも対応している
ので、Perl 5.8.1以降であればこちらを使うべきでしょう。

=back

=head2 半角 ←→ 全角

=over 2

=item $j-E<gt>h2z([$keep_dakuten])

X201カナ(半角)をX208カナ(全角)に変換します。
$keep_dakutenに真値をセットすると、濁点をそのままにします
(これはつまり、「カ+゛」は「ガ」に変換されずにそのまま
になるということです)

$j->nmatchを通じてマッチした数を取得できます。

=item $j-E<gt>z2h

X208カナ(全角)をX201カナ(半角)に変換します。

$j->nmatchを通じてマッチした数を取得できます。

=back

=head2 正規表現エミュレータ

C<< -E<gt>m() >>とC<< -E<gt>s() >>を使うには、Perl 5.8.1以降が
必要です。

=over 2

=item $j-E<gt>tr($from, $to, $opt);

JcodeオブジェクトにC<tr/$from/$to/>を適用します。$fromと$toは
EUC-JPの文字列です。Perl 5.8.1以降では、flag付きのUTF-8文字列
も受け付けます。

C<$opt>をセットすると、C<tr/$from/$to/$opt>が適用されます。C<$opt>は
'c'、'd'あるいはそれらの組み合わせでなければなりません。

$j->nmatchを通じてマッチした数を取得できます。

Perl 5.8.1以降では、trの形式に誤りのあった場合に-E<gt>error_trを通じて、
$@を取得できます。

以下のメソッドはPerl 5.8.1以降でのみ利用可能です。

=item $j-E<gt>s($patter, $replace, $opt);

個々にC<s/$pattern/$replace/$opt>を適用します。C<$opt>は正規表現オプションと
同じです。正規表現のオプションについてはL<perlre>を参照ください。

C<< $j->tr() >>、C<< $j->s() >>はそのオブジェクト自身を返すので、
以下のように操作を連結できます。

  $j->tr("A-Z", "a-z")->s("foo", "bar");

=item  [@match = ] $j-E<gt>m($pattern, $opt);

C<m/$patter/$opt>を適用します。このメソッドは”オブジェクトを返さない”
ので、C<< $j->s() >>のようにメソッドを連結できないことに注意してください。

正規表現の形式に誤りのあった場合、-E<gt>error_m、-E<gt>error_sを通じて
$@を取得できます。

=back

=head2 インスタンス変数

もしJcodeオブジェクトのインスタンス変数にアクセスしたいなら、直接それら
にアクセスするのではなく、アクセスメソッドを利用しましょう(これぞOOP
です)。

参考までに、Jcodeは(一般的な方法である)ハッシュリファレンスの代わりに、
配列リファレンスを使うことで、スピードを最適化しています(実際のところ、
アクセスメソッドを使う限りこのことを知る必要はありません; もう一度
いいますが、これはOOPなのです)。

Perl 5.8.1以降では、ハッシュリファレンスを使うように変更されました。
これにより、Jcodeの拡張はものすごく簡単になります。

=over 2

=item $j-E<gt>r_str

EUC文字列へのリファレンス。

Perl 5.8.1以降ではUTF-8フラグの立ったUTF-8文字列へのリファレンスです。

=item $j-E<gt>icode

直近の操作における入力文字コード。

=item $j-E<gt>nmatch

マッチした数($j->tr等を使ったとき)。

=back

=head1 サブルーチン

=over 2

=item ($code, [$nmatch]) = getcode($str)

$strの文字コードを返します。返るコードは以下の通りです。

 ascii   Ascii (日本語コードを含まない)
 binary  Binary (テキストファイルではない)
 euc     EUC-JP
 sjis    SHIFT_JIS
 jis     JIS (ISO-2022-JP)
 ucs2    UCS2 (Raw Unicode)
 utf8    UTF8

スカラーコンテキストの代わりに配列コンテキストを使うと、何文字分の
コードが見つかったのかも返します。上の方で述べたように、$strは\$str
でも構いません。

B<jcode.pl 利用者の方へ:> この関数はjcode::getcode()と100%上位互換が
あります。――まあ、ほぼ100%;

 * 戻り値が配列のとき、その順番は逆となります;
   jcode::getcode()は$nmatchを最初に返します。

 * jcode::getcode()は、EUC文字とSJIS文字の数が等しいとき、'undef'を
   返します。 Jcode::getcode()はEUCを返します。これはJcode.pmには
   中間がないためです。

=item Jcode::convert($str, [$ocode, $icode, $opt])

$strを$ocodeで指定した文字コードに変換します。$icodeも指定すると、
入力文字列をgetcode()でチェックする代わりに、$icodeと仮定します。
上の方で述べたように、$strは\$strでも構いません。

B<jcode.pl 利用者の方へ:> この関数はjcode::convert()と100%上位互換が
あります!

=back

=head1 バグ

Perlが5.8.1以降の場合、JcodeはL<Encode>のラッパーとして振る舞います。
つまり、JcodeはEncode内のバグの影響を受けます。

=head1 謝辞

このパッケージは、動機、デザインそしてコードの多くの点で、
歌代 和正 <utashiro@iij.ad.jp>氏のPerl4ライブラリjcode.plに負っています。

大崎 博基 <ohzaki@iod.ricoh.co.jp>氏は、開発の非常に初期の段階から
正規表現を磨きあげる手助けをしてくれました。

makamaka@donzoko.net の JEncode には、JcodeとEncodeをどう融合させれば
いいか大変大きな啓示を受けました。また、本日本語マニュアルも寄贈して
いただきました。

そしてJcode ML <jcode5@ring.gr.jp>の皆さん。この方達なしには、
ここまで完成しなかったことでしょう。

=head1 参考

L<Encode>

L<http://www.iana.org/assignments/character-sets>

=head1 著作権

Copyright 1999-2005 Dan Kogai <dankogai@dan.co.jp>

This library is free software; you can redistribute it
and/or modify it under the same terms as Perl itself.



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